グローバルに広がるハチのキャラ
ダバオの街でクルマを走らせると、いたるところにJollibeeという看板を見かける。
ダバオには海外からもさまざまなメジャー外食チェーンが上陸していて、おなじみのマクドナルドやケンタッキーなども、あちこちで見かけることができる。
しかしそれ以上に存在感を発揮しているのがフィリピン発祥の外食チェーンJollibee(ジョリビー)だ。
いまのところ日本には上陸していないので日本での知名度はほとんどないと思うが、フィリピンでは圧倒的なシェアを誇っているほか、着実にグローバル展開を進めていて、知る人ぞ知る外食ブランドの地位を確立しつつある。
ちなみに現時点でJollibeeが海外展開している国は、アメリカ、香港、ベトナム、インドネシア、ブルネイ、サウジアラビア、カタール、クウェート、シンガポール、バーレーン、UAEなど。米国本土だけを見ても、ニューヨークからロスまで20都市以上にものぼるなど、その勢いはなかなかのもの。
もし、日本にフィリピン人の知り合いがいたら聞いてみるとわかる。100%と言っていいほど知らない人はいないし、誰もがたぶん一度は利用している。
店舗展開の中心はもちろんマニラだが、ダバオでもとにかくあちこちで見かけることができる。店の前には特徴的で愛らしいハチのキャラクター(リトル・ジョリビー)のモニュメントが置かれ、来る人を笑顔で迎えてくれて、平日だろうが休日だろうが、お昼時だろうが何時だろうが、とにかくいつも賑わっているから恐れ入る。
チキンとライスのコンビネーション
一番人気はどうやらハンバーガーならぬ「ヤンバーガー(YumBurger)」のようだが、Jollibeeと言えばチキンというイメージが強い。
はじめてフィリピンでJollibeeを利用したときに、友だちが注文してくれたのはチキンとコーラという定番メニューだった。
これに、あたりまえのように「ライス」がついてくる。
チキンにライス?
最初はその組み合わせに「それってどうなんだ?」と首をかしげて若干躊躇したが、これがどうして、なかなかイケるから不思議。
いまではJollibeeに限らず、ダバオのどこでもチキンを頼むときはライスが欲しくなるようになってしまった。実際、コンビニなどでもチキンを頼むと、必ずと言っていいほど「ライスは?」と聞かれる。
基本セットは、チキンにライスにコーラにグレービーソースで79php(約160円)。グレービーソースをつけたチキンをかじり、ライスを手でつまんでクチの中に放り込む。ライスは柔らかくふっくらとした日本の米とは違って、どちらかというとタイ米のようなサッパリした感じで、それがチキンに実によく合う。日本のごはんだとこうはいかない。ホントにくせになる。
もちろん、この他にも実にいろんなメニューがそろっていて、マクドナルド同様おもちゃ付きのキッズメニューも充実している。
なぜ圧倒的シェアを誇るのか?
そんなJollibeeだが、ひとつ不思議なのは、なぜ他の外食チェーンを圧倒しているのか?がよくわからない。
確かにおいしいし、メニューも豊富で価格もお手頃。ほとんどの店舗が立地にも恵まれていて利用しやすいなど、人気になるのはよくわかる。しかし、それはマクドナルドにしてもケンタッキーにしても同じことで、なぜここまで差がつくほどJollibeeは愛されているのか?
現地在住の日本人の友だちではその謎はわからないだろうと、生粋のダバウェーニョ何人かに聞いてみたが、これが意外、
「Jollibee?あまり行かないよ」
「別にそんなに好きじゃないなぁ」
「昔は行ったけどね」
おかしいだろ、現にあんなに賑わってるのに。
チキンなら他にも安くておいしいところがたくさんあるとか、期待はずれの言葉が返ってきてしまった。たまたま聞いたダバウェーニョがひねくれものばかりだったのか。
まったくもってよくわからないが、ふと思い返してみると…
あれ?
自分自身もなんだかんだでいままで3回しか利用したことがない?
たしかに、相変わらずダバオではチキンとビールで明け暮れているのに、ここ最近は、Jollibeeにはほとんど行かなくなってしまった。
なぜだろう?
思うに、Jollibeeは家族連れがメインなのかもしれない。
たしかにどの店の中にも、いつも子供たちの声があふれていた。
そこが他の外食チェーンを圧倒している秘密なのかもしれない。
足を引っ張るような流れになってしまって申し訳ないけど、それでもJollibee、一度はおすすめします。
しかもヤンバーガーではなく、79phpのチキンセット!
チキンとライスの絶妙な食べ合わせをお試しあれ!
ちなみに、何度か日本にJollibeeが上陸するといううわさを聞いたことがある。なぜか錦糸町に。どこでもいいから、早くこないかな。