フィリピンにも、大晦日や元旦に関連した興味深い迷信や風習がたくさんあります。年長者たちは、新年が家族にとって本当に豊かな年になることを説き、若者たちに風習や伝統に受け継いでもらう習わしがあるようです。
ミンダナオタイムスから届いたそんなフィリピンの新年の風景をご紹介ます。
大晦日は水玉模様で
母がまだ私たちと一緒にいたとき、母は用意した水玉の衣装を着て新年を迎えることを欠かしませんでした。白い水玉模様の赤いドレスは幸運と富の両方を呼び寄せると彼女は私たちに断言しました。
父の医者は、彼が生きている間、水玉模様の服を着ているところを絶対に見つけられないでしょう。彼のアドバイスは、お金を稼ぐためだけではなく、私たちの身長も伸ばすために、両手にコインを持ち、真夜中までに12回ジャンプするというものでした。また、たくさんの現金を財布や貯金箱に入れなければなりません。私がずっと若かった頃に、これを実践するために新札をくれた祖父母や両親、名付け親を恋しく思います。
全てのドア開けて幸運を迎えよう
私たち家族の伝統の一つは、正月前に家の掃除や片付けをすることです。後年になって知ったことですが、これは、私が東京で勉強していた頃の日本人の習慣でもありました。また、新年を迎えるためには、家の中の明かり取りを開けなければなりません。幸運が入り込むように窓やドア、キャビネットなどを全て開けるのです。
幸福や金運をもたらす丸い果物
1995年にダバオに定住した時に初めて、丸い果物を13種類集める習慣を始めました。何年も前にバンクーバーで買った素敵な銀の容器に入れた13種類のフルーツは、レチョン《豚の丸焼き》、ポテトサラダ、ハム、チキンレレノ《鶏の詰め物》、パンシットモロ《ワンタンスープ》、グレービーソースのレングア《牛タンの煮込み》、カリョス《モツ煮込み》など家族の伝統的な新年の食べ物と一緒にテーブルの真ん中に置かれ、一年中食べ物が不足しないようにしています。実際に、新年を迎えるためにこの13種類の丸い果物を必ず用意してほしいと言ってくれたのは、我が家のお手伝いさんたちです。
信じてほしいのですが、私は、地元産や輸入物などさまざまな果物を売る露店が新年の数日前に突然現れるモンテベルデやウヤンレン地区で、買い物客の群れ立ち向かいます。そう、毎年13種類もの果物(カレンダーの各月に1つ、13か月目の給与にもう1つ)を買って、新年の幸運を引き付けることにやりがいを感じています。より高価なスーパーマーケットで売られている、バスケットに綺麗に詰められた13種類の果物を買うのは好きではありません。
果物が意味するもの
果物の丸い形は、硬貨やお金を象徴すると考えられています。正月にこれらの果物を食べることは、家族や家庭の繁栄と豊かさの証です。パイナップルはその中で最も幸運な果物だと言われています。リンゴは調和を意味し、オレンジは成功を意味し、スイカ、メロン、キャッキャッ(みかん)はお金の循環を意味し、パパイヤと梨は健康を保証し、ブドウは豊穣を意味し、レモンは不運を排除すると信じられています。
あなたがこの伝統を実践するかどうかは別として、私は信じる人も信じない人も両方が繁栄し、本当に幸せな新年を迎えたいと思います。
神のご加護がありますように。