旅先で、その土地の魅力をより感じてみたいなら、地元の人が通う「市場」へ行ってみてはどうでしょうか?
その土地の旬の食材や食文化などから、その街で暮らす人々の生活の一部が覗けるはずです。
また、現地の人の「台所」でもある市場ならではのご当地グルメを満喫するのも旅の醍醐味の一つはないでしょうか。
ダバオには、地元の人にも観光客にも愛されているバンケロハン市場という大きな市場があります。
その中にある飲食店の一つ「パス・イーテリー(Paz Eatery)」食堂がミンダナオタイムスで紹介されていたので、お届けします。
人気のフィリピン料理を24時間提供
もうすでに土曜日の午前も半ばを過ぎた頃、バンケロハン公設市場の飲食店街では、雑談しながら食事をする人のざわめき、すすがれている皿の水の音、揚げ物のジュージューという音が音楽のように響き渡ってきます。
食堂パス・イーテリー(Paz Eatery)はいつも通り忙しく、1980年以来、24時間年中無休でブラロ《骨付き牛肉を煮込んだスープ》、バルバクア《牛の皮などを煮た濃厚なスープ》、ヒナラン《水牛のピリ辛スープ》、その他のダバウェニョ(ダバオっ子)の人気料理を提供しています。
メニューをいろいろ試して
「私たちは、通常のカレンデリア(ローカル食堂)料理を提供する質素な食堂で営業を始めました。私が接客をしている間、夫のダニーがキッチンを担当してくれました」とは、ケソン州オーロラ出身の63歳のパス・アンチェタ・サニコさんの言葉。
サニコさんはまず、自分たちの食品ビジネスが、うまくいかないものを取り除き、うまくいくものを試すという一連の試みに取り組んだといいます。
「私たちは食べ物について研究し、最終的にブラロ、バルバクア、レチョンカワリ《油でカリカリに揚げた豚肉》、カレカレ《ピーナツソースで煮込んだ肉と野菜のシチュー》に決めました。これらは今では一番人気の料理です」
ダバオっ子から愛される食堂へ
その後まもなく彼らの食堂は、食通の人々にとってはもちろん、ダバオでは誰もが知ることになるほど有名になりました。
「午後5時からはさまざまな職業・地位のお客様で賑わいます。テーブルを確保する前に、他の人が終わるのを辛抱強く待たなければならない人さえいました」
パーティー好きのダバウェーニョたちが集まり早朝までにぎわいは続きます。真夜中を過ぎたバンケロハン公設市場で最も人気のこのレストランでは、粋なパーティー衣装を着た客や汚れた靴を履いた客がいるという光景はごくあたりまえのことになりました。
いつでも新鮮な食材で
地元の人々の他にも、観光客は街を訪れる際にパス・イーテリーを旅程の一部に組み込んでいます。
「人々が私たちのところに来るのは、私たちがいつも作りたての食事を用意していることを知っているからです」と、サニコさん。
30年以上経った今でも、サニコさんは最も新鮮な食材だけを確実に手に入れるために、毎日午前6時に肉や野菜を買うことにこだわっています。
サニコさんからのアドバイス
「私はもう若くないので、息子のジョナサン、クリス、ブライアンに知識を伝え始めました。彼らはそれぞれの役割で私が食堂を運営するのを手伝ってくれました」と彼女は明かしました。サニコさんは息子たちに日々の業務を監督することの重要性を教えました。
食品ビジネスに参入しようとしている人たちへの彼女のアドバイスとは?
「実際に手を使って、すべての重要なことを直接学ぶことに勝るものはありません。同時にすべての場所にいることはできないので、誰を信頼するかを知る必要もあります。これらは全てのビジネスにおいて非常に重要です」と彼女は語りました。